エアシリンダの基本特性
エアシリンダを選ぶときに、はじめに押さえる項目をまとめています。 推力は計算で求められますが、動かせる速度や使える温度はメーカーごとに違うため、計算で決まる範囲と、カタログを見ないと決まらない範囲を分けて示します。
推力の求め方
圧縮空気がピストンを押す力は、受圧面積と圧力の積です。 押し側はピストンの全面が受圧面になります。
はチューブ内径 [mm]、 は使用圧力 [MPa] です。 1 MPa = 1 N/mm² なので、面積 [mm²] にそのまま掛けると力 [N] が出ます。
引き側はロッドの断面積を引きます。同じ圧力でも引き側のほうが推力が小さくなるのはこのためです。
負荷率
理論推力をそのまま使い切る設計にはしません。 実際には摩擦や圧力の立ち上がりの遅れがあり、余裕が要ります。 この余裕の取り方が負荷率 です。
- 静的に押さえる、ゆっくり動かす: 0.7 程度
- 一般的な搬送: 0.5 程度
- 速く動かす: 0.35 程度
- 衝撃を伴う: 0.3 以下
内径から持ち上げられる質量
上の式から、内径ごとに垂直に持ち上げられる質量の目安を求めたものです。使用圧力と負荷率を変えて確認できます。
| チューブ内径 D [mm] | 受圧面積 A [mm²] | 理論推力 F [N] | 負荷率を掛けた推力 [N] | 持ち上げ質量の目安 [kg] |
|---|---|---|---|---|
| 2.5 | 4.909 | 2.454 | 1.718 | 1.752e-1 |
| 4 | 12.57 | 6.283 | 4.398 | 4.485e-1 |
| 6 | 28.27 | 14.14 | 9.896 | 1.009 |
| 8 | 50.27 | 25.13 | 17.59 | 1.794 |
| 10 | 78.54 | 39.27 | 27.49 | 2.803 |
| 12 | 113.1 | 56.55 | 39.58 | 4.036 |
| 16 | 201.1 | 100.5 | 70.37 | 7.176 |
| 20 | 314.2 | 157.1 | 110 | 11.21 |
| 25 | 490.9 | 245.4 | 171.8 | 17.52 |
| 32 | 804.2 | 402.1 | 281.5 | 28.7 |
| 40 | 1257 | 628.3 | 439.8 | 44.85 |
| 50 | 1963 | 981.7 | 687.2 | 70.08 |
| 63 | 3117 | 1559 | 1091 | 111.3 |
| 80 | 5027 | 2513 | 1759 | 179.4 |
| 100 | 7854 | 3927 | 2749 | 280.3 |
| 125 | 1.227e+4 | 6136 | 4295 | 438 |
| 140 | 1.539e+4 | 7697 | 5388 | 549.4 |
| 160 | 2.011e+4 | 1.005e+4 | 7037 | 717.6 |
| 180 | 2.545e+4 | 1.272e+4 | 8906 | 908.2 |
| 200 | 3.142e+4 | 1.571e+4 | 1.100e+4 | 1121 |
| 250 | 4.909e+4 | 2.454e+4 | 1.718e+4 | 1752 |
| 300 | 7.069e+4 | 3.534e+4 | 2.474e+4 | 2523 |
垂直に持ち上げる場合の目安です。水平に動かす場合に必要な推力は、 質量ではなく摩擦と加減速で決まるため、この表では求められません。
カタログで確認する項目
次はメーカーとシリーズによって値が異なります。計算では決まらないため、使用するシリーズのカタログで確認してください。
- 最低作動圧力:動き出すのに必要な最低の圧力。 パッキンの摩擦で決まるため、シリーズごとに違います。低圧で使う場合に効きます
- 使用速度の範囲:速度の上限と下限。低速で使う場合は、 スティックスリップ(がくつき)が出ない下限を確認してください
- 周囲温度・使用流体温度:パッキンの材質で決まります。 耐寒・耐熱の仕様が別に用意されていることがあります
- 寿命:走行距離で示されます。試験条件つきで公開されることが多く、条件が違えば結果も変わります。保証値ではない点に注意してください
- 許容ロッド先端荷重:ロッドに横向きの力を掛けられる限界。 ストロークが長いほど小さくなります
